何か面白いことないかな~と今日もただお散歩のように人生歩いてるだけの私の独り言。


by tekuteku0220
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地元のアマチュア落語家の団体である豊橋落語天狗連を知ってから20年近くがたちます。最初はコミュニティFMラジオのエフエム豊橋で毎週一席づつ、毎月の月例寄席を録音したものが放送されるのを、楽しみに聴いていました。そのうち、その毎月第3月曜日に行われる月例寄席に足を運ぶようになり、メンバーの方々にも顔を覚えていただいて、一緒に出かける何人かの友人とともに忘年会などに誘っていただくようになりました。
そして昨年からは、毎年七夕前後に豊橋公会堂を会場に行われる「豊橋小市民寄席」の受付などのお手伝いに参加するようになりました。今年で34回を数えるこの寄席はすっかり豊橋の夏の風物詩として定着しています。もともとは一日公演だったのが、10年ほど前、公会堂の改修工事の関係で3~4年間、豊橋勤労福祉会館で行っている間に1500席近い会場が満席近く埋まるほど客数が増加したため、公会堂に戻った年からは土曜日の夜、日曜日の昼の二日公演という今のスタイルになりました。
今年は7月6日、7日の二日間。5月後半ごろから曜日別のチケットが販売開始されるのですが、特に人気の日曜日分は6月中旬には売り切れたとのことでした。この他に、プログラムやメンバー紹介を乗せたチラシに広告を出したスポンサーさんに配られた曜日を問わない招待券の分が加わるので、当日まで正確な客数は予測できません。蓋を開けてみると、売れ行きが今ひとつと心配された土曜日でも約450名、日曜日は700名に迫る盛況ぶりでした。
 全席自由席なので、両日とも開場前には、豊橋公会堂のシンボルのひとつである正面の大階段に、長蛇の列が出来上がります。目の前の国道一号線は、この区間は路面電車が走っているのですが、公会堂の前にある市役所前駅まで行列の先が届きそうになります。今年も果たして一番のりの方は、開場時間の3時間ほど前にはいらしたようでした。
 二日目の日曜日、さすがにこの暑さでは並んでいて倒れる人が出かねないということで、急遽、小市民寄席史上初めて、整理券が配られました。午後1時開場、2時開演のこの日、早くいらした方には番号の書かれた整理券を渡してどこか日陰などに移動して待っていただき、12時半に戻っていただくこととなりました。けれども先頭に並ばれていた方は、飲み物やらお弁当やら折りたたみ椅子など、並ぶ準備万端で、別に行くとこもないからと結局そのまま入口前にいらっしゃいました。
 整理券をお持ちのお客さま方が戻ってこられる頃、私たちも大階段へ出て、番号の順番に並び直していただくお手伝いをしましたが、整理券だけでも120番台の数字となりました。そうしている間に12時半以降並ばれた方の列にも同じくらいの人数となり、結局十五分早めて入場開始となりましたが既にこの時点で一階席はほぼ埋まってしまいました。余談ですが、実は大階段を登っているので、私たちが1階席と呼んでいるところは正式には2階席、2階席へどうぞと案内したところは実は3階席だと、あとでホームページを見て知りました。
 そして、最終的に開演時間には折りたたみ椅子で対応してもなお立ち見のでる盛況ぶりで、嬉しい悲鳴ではありましたが、当日券を買おうとされてお断りした方が少なからずで、炎天下せっかくここまで来られたのにと、申し訳ない気持ちでした。
 今年初めて試みたアンケートにも、指定席にしてほしいという意見が複数寄せられました。たしかにそうなれば、この開場前の行列の心配はなくなりますが、小市民寄席のチケットはほとんどメンバーの方たちの手売り状態。私も職場の方やお友達関係で十数枚とりまとめさせていただきましたが、全席指定となると「誰から買ったら良い席がとれるのか」という話が当然出てきてしまうため難しいようです。
受付の席にいて、小市民寄席の最中または終了後に多く聞かれたのが「冷房が効きすぎ」「寒い」という声でした。とくに吹き出し口から冷気の直撃を受ける席の方は相当寒かったようでした。
 私たち受付のお手伝いも、入場の波がすぎて公演が始まってしまうと、交代でお目当てのメンバーの出番を観に行きました。私は土曜日、微笑亭さん太さんの落語を聴かせてもらうことにして、1階の1番後ろの入口付近にいました。
すると始まって暫くして、客席横の入口から入ってくる人が目にとまりました。高座の途中の出入りは後ろから見ているととても目立ちます。そしてよく見ると、それは私からチケットを買ってくださった職場のKさんでした。後ほどロビーで見かけたので、声をかけると、寒くてどうにも我慢ができなくなり、
トイレに行ってしまったとのことでした。実際ご年配の方などで「寒いから」と途中で帰っていかれた方もありました。
ところが1階(と呼んでいる2階)は、場所によってそんなに寒いというのに、2階席(という名の3階席)は反対に酷く暑いのでした。日曜日のコントを二階席の後ろから見ていたのですが、お客様の手は一糸乱れず一人残らず、持参された扇子・団扇、もしくは小市民寄席パンフレットをぱたぱたぱたぱたと休むことなく動かしていらっしゃいました。それはずっと冷房の効かないロビーの受付で、厚手の綿の半纏を着て「暑い、暑い」と言ってた私たちをして
「玄関から風が入ってくるだけ受付は天国だ」と思わせるレベルの蒸し暑さでした。こちらもいつ耐え切れずに帰られてもおかしくありません。
豊橋公会堂は昭和6年に建てられた国の登録有形文化財なので、これ以上の空調設備の改善は望めないでしょう。いたしかたないと言ってしまえばそれまでなのですが、これも指定席問題と同様、悩ましいけれどもしかたのない問題と思われました。
 けれども月曜日になって、今年初めて実家のおとうさんと弟さんを誘って3人で、日曜日にでかけてくれた職場の若い女性から、
「父親が寒くて具合悪くなったので、途中でリタイヤしちゃいました」
と聞いたとき、私ははっと気づき、猛烈に反省しました。彼女や前出のKさんはどうやってチケットを手に入れましたか?プレイガイドで買ったわけじゃないのです。自らもうっかり羽織るものを持たずに出かけて、どうにも寒くてうずくまりながら寄席を見た経験のある、この私を通して買ってくれた人たちではありませんか。
まだ60才前後の男性に寒くて舞台に集中できなかったり、その場にいられないほど気分が悪くなったなどという思いをさせてしまっただなんて。毎日顔を合わせ、ちょくちょく小市民寄席のことなども話題にしていた人たちに対し、事前に一言「公会堂は冷えすぎて毎年途中で帰られちゃう人もいるくらい」と伝える親切が私に足りなかったせいでした。
開場前に行列ができてしまうことも、特に日曜日は早い時間に席がなくなってしまうことも、そんなチケットには印刷されないけれども、けっこう重要な情報を、直接伝えることができるのが「手売り」の強みなんじゃないかということに初めて気がつきました。
 一昨年まで十数年間、客席でただ楽しませてもらってきた豊橋小市民寄席を、裏とまではいきませんが、斜め横くらいから支えるお手伝いを経験してみて、改めてこの寄席の暖かさや笑いを共有する意義を考えさせられた二日間でした。

                           
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by tekuteku0220 | 2013-07-22 01:22 | 落語・お笑い