悪性細網症
2008年 01月 04日
ひいママさん、なぜか非表示になっていてコメントに気づくのが遅くなってしまいすみませんでした。
悪性細網症
というのが、15年前に亡くなった父の病名でした。
父が亡くなった直後、お世話になったお医者さまから請われて
その後の研究のために父の内臓を提供しました。
明け方亡くなった、その日の夜がお通夜で翌日が告別式。
一夜寄り添った棺に納められた父の中にはどの程度の臓器が残されてたのか知りません。
昔、父が釣ってきたハゼの腹をかいて水に戻したら、
まだ生きているかのように泳ぎだしてびっくりしたことを強烈に覚えていますが、
さすがに父は2度と動きはしませんでしたね。あたりまえですが。
傷をつけた遺体を私たちが見なくてすむようにという配慮なのか、
父は湯灌をすませた状態で、私たちのところへ戻ってきました。
戸惑い泣く母を私と弟で納得させての提供でした。
あれだけで急激に研究が進むとはもちろん思いませんが、
あれから15年たって、何か分かったことがあるのだろうかとふと気になって
ネットで検索していてたどり着いた秋田の病院の先生に、
失礼を省みずメールをして、
今は時間的に無理だがいつか必ず返事をするとのメールをいただいたことは
10月30日のこのブログに書いた通りです。
そして昨年暮れの31日。
慌しくすごす大晦日の夜、ふとメールをチェックしてみると
件名の中にこの病名が、そして見覚えのある男性の名前。
気を落ち着かせながらそれより少し早く届いた友達からのメールを読み、
いよいよどきどきしながら本文を開けてみました。
「悪性細網症についてお約束しておりましたのでお送りします。
一言で申せば一般の方々にお解り頂くのに一番困難な領域の疾患であり、症状を現すメカニズムや背景も複雑です。 出来るだけ平易に記述したつもりですが、それでも多分理解しがたい部分が少なくないと思われます。 どちらにせよ、成人型のこの疾患は診断困難で、生命予後も悪く、特別に効果的な治療法もありません。造血器疾患領域の中でも対応困難な病気と言えます。
これをお読みになって更に追加、詳細な説明が必要でしたらご返信下さい。可能な限り対応したいと考えます。」
という書き出して、そのあと非常に詳しく、総論から診断と分類、治療方法といったことに分けて書かれていました。が、これで出来るだけ平易に記述されていなかったらどんな文章になっていたんだろうかと思うくらい、やはり素人にはすっと入ってこない専門的と思われる言葉や言い回しが多かったです。
で、ぼんやりと理解したところでは、
最初のメッセージに要約されている通りに、やはり成人で発症した場合は診断も難しく、予後も不良、原因も治療法もよくわかってないという、
つまりは15年前とあまりかわっていない、もちろん細かな研究は進んでいるでしょうが、
患者の立場の助かるの?助からないの?という素朴な不安への答えとしては
やはりまだどうやって助けていいかわからないんだよっていう答えだったわけです。
ただ、ちょっと文章から理解したところでは、先天的なものは小児の場合で、
成人の場合は感染症とか悪性腫瘍に関連して起こるものが多いようだということ。
患者の子供の立場としては、やっぱり遺伝するの?私や弟も普通の人よりは
その病気に近いところにいるの?という不安。
今回いただいた説明からすると、成人である父は先天性ではなく、感染か腫瘍が原因だったと考えるのが妥当だと思うので、
私たち姉弟、体質などは受け継いでいるとしても、あの病気を引き継ぎ隠し持って生きているわけではなさそうだということ。
その不安から少し解放されただけでも、本当にこの秋田のお医者様には感謝です。
そして、
もしあの時でなく15年後の更に進んだ世の中になった今、発症していても
やはり父を助ける手立てはなかったのだと思うと、
今の時代なら助かったのに・・・という空しい妄想からも解放された気がします。
事故や事件といった不幸に見舞われたわけでなく、
まだ59歳という年齢はやはり納得のいくものではありませんが、
仕方がなかったと思うことのできない死ではなかったと・・。
悪性細網症
というのが、15年前に亡くなった父の病名でした。
父が亡くなった直後、お世話になったお医者さまから請われて
その後の研究のために父の内臓を提供しました。
明け方亡くなった、その日の夜がお通夜で翌日が告別式。
一夜寄り添った棺に納められた父の中にはどの程度の臓器が残されてたのか知りません。
昔、父が釣ってきたハゼの腹をかいて水に戻したら、
まだ生きているかのように泳ぎだしてびっくりしたことを強烈に覚えていますが、
さすがに父は2度と動きはしませんでしたね。あたりまえですが。
傷をつけた遺体を私たちが見なくてすむようにという配慮なのか、
父は湯灌をすませた状態で、私たちのところへ戻ってきました。
戸惑い泣く母を私と弟で納得させての提供でした。
あれだけで急激に研究が進むとはもちろん思いませんが、
あれから15年たって、何か分かったことがあるのだろうかとふと気になって
ネットで検索していてたどり着いた秋田の病院の先生に、
失礼を省みずメールをして、
今は時間的に無理だがいつか必ず返事をするとのメールをいただいたことは
10月30日のこのブログに書いた通りです。
そして昨年暮れの31日。
慌しくすごす大晦日の夜、ふとメールをチェックしてみると
件名の中にこの病名が、そして見覚えのある男性の名前。
気を落ち着かせながらそれより少し早く届いた友達からのメールを読み、
いよいよどきどきしながら本文を開けてみました。
「悪性細網症についてお約束しておりましたのでお送りします。
一言で申せば一般の方々にお解り頂くのに一番困難な領域の疾患であり、症状を現すメカニズムや背景も複雑です。 出来るだけ平易に記述したつもりですが、それでも多分理解しがたい部分が少なくないと思われます。 どちらにせよ、成人型のこの疾患は診断困難で、生命予後も悪く、特別に効果的な治療法もありません。造血器疾患領域の中でも対応困難な病気と言えます。
これをお読みになって更に追加、詳細な説明が必要でしたらご返信下さい。可能な限り対応したいと考えます。」
という書き出して、そのあと非常に詳しく、総論から診断と分類、治療方法といったことに分けて書かれていました。が、これで出来るだけ平易に記述されていなかったらどんな文章になっていたんだろうかと思うくらい、やはり素人にはすっと入ってこない専門的と思われる言葉や言い回しが多かったです。
で、ぼんやりと理解したところでは、
最初のメッセージに要約されている通りに、やはり成人で発症した場合は診断も難しく、予後も不良、原因も治療法もよくわかってないという、
つまりは15年前とあまりかわっていない、もちろん細かな研究は進んでいるでしょうが、
患者の立場の助かるの?助からないの?という素朴な不安への答えとしては
やはりまだどうやって助けていいかわからないんだよっていう答えだったわけです。
ただ、ちょっと文章から理解したところでは、先天的なものは小児の場合で、
成人の場合は感染症とか悪性腫瘍に関連して起こるものが多いようだということ。
患者の子供の立場としては、やっぱり遺伝するの?私や弟も普通の人よりは
その病気に近いところにいるの?という不安。
今回いただいた説明からすると、成人である父は先天性ではなく、感染か腫瘍が原因だったと考えるのが妥当だと思うので、
私たち姉弟、体質などは受け継いでいるとしても、あの病気を引き継ぎ隠し持って生きているわけではなさそうだということ。
その不安から少し解放されただけでも、本当にこの秋田のお医者様には感謝です。
そして、
もしあの時でなく15年後の更に進んだ世の中になった今、発症していても
やはり父を助ける手立てはなかったのだと思うと、
今の時代なら助かったのに・・・という空しい妄想からも解放された気がします。
事故や事件といった不幸に見舞われたわけでなく、
まだ59歳という年齢はやはり納得のいくものではありませんが、
仕方がなかったと思うことのできない死ではなかったと・・。
by tekuteku0220
| 2008-01-04 16:35
| ちょっと感動