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何か面白いことないかな~と今日もただお散歩のように人生歩いてるだけの私の独り言。


by tekuteku0220
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K先輩のこと   -2-

某お笑い芸人がスケバンネタで今年ヒットしたけれど、
今時あんな長いスカートの子、見たことないのと同じくらい、
今の女子高生が公衆電話から好きな男子の家に電話して告白するのを
半開きのボックスのドアのところで押し合いへし合いで
友達2~3人が応援してる、なんていう図を見ることはなくなった。
1年の夏、テスト勉強と称して、友達の家に仲の良い数人で集まり
泊まることにした夜、近くの公園の脇にある電話ボックスで、
私は友人たちの「ほら、頑張れ」というまなざしに囲まれて
先輩の家に電話をかけた。
番号はわかっていた。
今のように個人個人が携帯で繋がる便利さはない時代だったけれど
個人情報を悪用する人間も少ない時代だった。
学校からは毎年、出身中学別学年順に分類された全生徒の名簿が
きちんと製本されて配布された。
そこには名前、住所、電話番号はもちろん、
保護者の氏名や職業、勤務先まで明記されていた。
今では考えられないことだと思うと、
改めてあれは30年も昔のことだったんだと実感する。
何を話したのかは、もちろん全然記憶にない。
ただ、「実は僕も」とか「お付き合いしましょう」というような展開の
会話はなく、一方的に自分の想いを伝えただけだったように思う。
どんな形で誘われたのかも覚えていないけれど、
1度だけ、当時地元ラジオで深夜放送を担当していたフォーク歌手を
中心に何組かの歌手やバンドの出たジョイントコンサートに
連れていってもらった。
会場から駅までの途中にある橋をぶらぶら歩きながら
結果が戻ってきたばかりの定期テストのことばかり話してたことを
その時の暮れかかった空のように、うっすらと覚えている。
でも、
それ以上は発展しなかった。
何度か手紙をやりとりした。
彼の名前を思い出す時、手紙に書かれていたちょっと四角張った
特徴のある筆跡があわせて浮かんでくる。
何があったわけでもなく
自然に消滅してしまった。
というよりちゃんと始まってもいなかったというとこだろうな。
ほんとにひとごとのように、自分の気持ちの変化すら覚えていない。
恋愛だった気もしないし、失恋した感覚も残っていない。
どうなってたんだろう、逆に興味がわいてきたくらいだ。

2年になって暫くして、先輩と同じ学年にいた私の従姉から
彼が病気で長く休んでいると聞いた。
その時は病弱そうだからなぁくらいに思ったのだが、
彼はその時、ウィルスが脊髄に入って(と噂で聞いたから
本当のところはよくわからない)
歩けない体になってしまい、学校を辞めたのだった。
by tekuteku0220 | 2006-11-14 01:49 | ちょっと感動